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徒然なるままに-トランプ大統領に思う

  「America First」を連呼しながら、トランプ氏はアメリカ大統領に就任した。就任前から、メキシコとの国境に壁を築くだとか、GMTOYOTAのメキシコ工場は認めない、TPPから離脱する、などなどTwitterの発信は半端ではなかった。まさにアメリカの国益の為なら何でもするという強い信念がうかがえる。確かに仕事のない国から一攫千金とは言わないまでも、多くの移民がアメリカに流入し、アメリカ人から仕事を奪ったことも事実、また麻薬なども一緒に持ち込まれているのだろう、治安の悪化にも一役買っている。賃金の低い国からの輸入品には国内生産品は太刀打ちできない。よって高い関税により国内産業を保護するというのも、America Firstの一環、考え方は極めてシンプルである。

 

 そして1月20日に大統領就任式があり、その後はTwitterで囁いた施策を大統領令として着実に進めている。TPP離脱、メキシコ国境の壁、どうやら本気らしい。マスコミは連日トランプ反対デモを映像として流し将来を悲観視する論評をはっていたが、ダウ平均は20,000ドルの大台を超え、米国経済はトランプへの期待に脹らみ始めている。実に皮肉なものである。そもそもマスコミは反トランプとは正面きって言わないけれども、演説や記者会見から負の要素を抽出し大きく取り上げて、自分たち米国民の選択の過ちを煽っているかのようだ。

 

確かにトランプ氏の女性を蔑む考え方やイスラム教徒全体への偏見、不法移民を含むマイノリティへの口撃には、アメリカ大統領としての資質・モラルに欠ける点があるのも事実(と思う)が、信念に基づく決断力やスピードは逆に大統領として申し分ない。また、トランプ政権の閣僚人事もなるほどと納得する点が多い。しかし、この先の株価の行く末がそうであるように未来は誰にもわからない。"神のみぞ知る"である。

 

仏教の教えに、「一切空」というものがある。"この世に善悪というものはない。人が作り・決めた全ての物事には正邪はない。" と言うものだ。そういう意味では戦争も、敵対するそれぞれの国の正義を掲げて残忍な殺戮を繰り返す。そして歴史がそうであるように敗戦国になった途端に正義は悪と評されるのであるが・・・。それでは正義というものは無いのか?、というとそういうわけでも無い。正義は利他の心、利他の考えで行った行動にあるというものだ。キリスト教の黄金律にもある「隣人を愛せ」という教えである。※イスラムの教えにもあるが少々複雑なのでここでは省略する。

 

言いたいこと(私の考え)は、トランプ政治の正邪を表面的に捉えても無駄であるということ。トランプ氏がどれほど利他の考えで政治を行おうとしているか、マスコミおよび米国民には判断して貰いたい。多くは、誰かの利益が誰かの不利益になる構造なのでこの判断は非常に難しいのだが、富や名声、権力欲といった利己心が無いことが大切で、そこを判断のポイントとして貰いたいのだ。この場合判断する側も、自分の利益・不利益を判断に加えてはならない。あえて私の判断を述べるなら、異質でモラルに欠ける欠点、常識の枠を超えた乱暴さはあるがは、財団を隠れ蓑に邪に近い振る舞いを行うヒラリーに比べてトランプは米国大統領に値する。

 

但し、これが米国が祝福される条件かどうかはわからない。そもそもアメリカは世界を視野に入れて判断・行動する宿命を持つはず。失敗はしたものの世界の共産化に抵抗したあの正義感は忘れないでほしい。世界の警察を放棄したと同時に実質イランの核開発を容認したことは、明らかに世界の寿命を短くする行為だ。アレッポで1日も早い戦争終結を待つ市民を見て見ぬ振りをすることも正義なのか? まだトランプ氏に世界に対するダイレクションは見えてこないが、ここにも頭を悩ませる大統領であって貰いたいものだ。

 

これからの米国が神の祝福を受けるのか。それとも神から見放された国となるのか。世界情勢と共にしっかりと見ていきたい。

働き方改革

  電通社員の自殺という悲劇はここにきて経営責任にまで発展し、少なからず国内の企業に影響を与えている事だろう。そもそも36協定の上限が月間80時間というのが異常だが、これが許される労使関係(組合の有無は知らないが・・・)も全く機能不全に陥っていると言わざるを得ない。或いは会社は報酬のみで社員に報いるという割り切った考えを双方が持っているということか。しかしこの問題の本質は長時間労働では無く、上司のパワーハラスメントであることは明白である。誰しも人格を否定され続ければ病気になる。そのようなマネジメントを許している会社(経営陣)に大いに問題がある。

 

  パワーハラスメントの問題については議論の余地はなくGuiltyということであろうが、この電通問題が現在政府が進めている働き方改革に拍車をかけていることは間違いない。ところでこの働き方改革、単純に長時間労働と言った問題では無く様々な問題が絡み合った複合問題であり、一筋縄ではいかないことは会社人であれば容易に想像ができる。政府はパンドラの箱を開けたと言っても過言ではない。どうか途中で投げ出さず最後まで取り組んでもらいたい。

 

  まず長時間労働問題の本質は、長時間労働を強いられること、或いは経済的理由で長時間労働せざるを得ないこと、前者は明確な命令がなくともそうせざるを得ない状況に追い込まれている例がほとんどで、後者は会社に貢献した社員が報われるのではなく単に長く働いた社員に多く支払われるという不条理を引き起こしている。ただし、両者ともに自ら望まない長時間労働で有り、継続して良い(効率的な)仕事ができるはずがない。ストレートに数字に現れるわけではないが会社の業績を押し下げている大きな要因である。また、今更言うまでも無いが、長時間労働は女性の社会進出を妨げ、少子化に拍車をかけている。

 

  長時間労働の原因は、仕事量と人員がバランスを欠いていること。企業は国際競争が激しくなる中で相当な効率化を求められてきたが、その中心になったのが人件費である。一方、人員減に対して仕事の効率を上げていかなければならないものの、システムやツールの導入にとどまり、抜本的な仕事の見直しがそれほど進んでいないこと。例えば大企業では、大勢の役員が連判した決裁書が回付されていたが、今は同じ形態でシステム化されただけ。欧米流の責任者一人の判断で物事を決める形態には程遠い。

 

  正規非正規問題は雇い止め制度とも密接に絡んでいる。企業はリスクを取れないゆえ非正規の採用を行わざるを得ないが、ここに金銭解決による雇い止め制度が導入されると、非正規の割合も欧米並みに減っていくに違いない。決して同一労働同一賃金の議論で終始させてもらいたくない。数年前に議論になったホワイトカラーエグゼンプション制度も骨抜きになってしまった経験がある。

 

  蛇足になるが、日本人の労働生産性は欧米と比べてかなり低くOECD加盟35ヶ国中の18位で、国民一人当たりのGDPは394万円で、同591万円の米国のほぼ2/3の水準になる。(※公益財団法人 日本生産性本部)どれだけ働けば豊かになるのか、日本はまだまだ発展途上の国である。

 

(追記)"36協定の上限が80時間と言うのが異常"と記載したものの、上場企業の7割が上限80時間という情報を得た。真偽は未確認であるが働き方改革実現会議検討委員の方の発言として確認したので正しい可能性は有そう。